こんにちは!
今回の記事では、IELTSを独学のみで目標スコアに到達する勉強法を紹介します。
「 IELTSを独学で勉強している人」や「これからIELTSの勉強を始めようと考えている方」の参考になれば幸いです。
IELTSは勉強法を工夫することによって独学でも目標スコアに到達することが可能です。現状の実力を理解したうえで、目標から逆算してスケジュールを組んでいくと良いですね!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
IELTSの独学に必要な前提知識
他の試験のスコア比較
まずは他の英語試験と比較してIELTSがどれくらいのレベルなのかを確認してみましょう。
自分が目標としているスコアのレベル感を確認してみてください:
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級 – 1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
こちらはソロの生徒のスコアを参考に作った表ですので参考程度に考えてください。
もし仮に、現状の英語力が英検2級に達していない人は、基礎に立ち返ることをオススメします。いきなりIELTSの勉強を始めても、基礎に抜けがあると解説が理解できなくて勉強が苦痛になります。
まずは、英検で2級 – 準1級程度の力をつけた上でIELTSの対策をすると、勉強がスムーズに進みます!
学習時間の目安
IELTSの目標スコア取得に必要な勉強時間を確認してみましょう。
Cambridge Assessment Englishが公表している情報に以下のようなデータがあります:
CEFR / IELTS | CEFRの定義 | 必要学習時間 |
C2 / 9.0 | 熟練した言語使用者 | 1,000 – 1,200 |
C1 / 8.0 | – | 700 – 800 |
B2 / 7.0 | 自立した言語使用者 | 500 – 600 |
B1 / 6.0 | – | 350 – 400 |
A2 / 5.0 | 基礎段階の言語使用者 | 180 – 200 |
A1 / 4.0 | – | 90 – 100 |
自分の目標スコアまでおよそ、どれくらいの勉強時間がかかるか分かりましたでしょうか。あくまで目安ですが「約200時間」学習をすると、バンドスコアが「1.0」上がると言えます。
ただし、この図で提示されている勉強時間は目的意識をもって集中した学習量です。単に200時間勉強すれば、スコアが伸びるというわけではないので注意してください。
特に、日本を含むアジアの国は英語と言語の距離が遠く、実際はこれの2倍ほど勉強時間が必要になる事が多いです。 あらかじめ余裕をもって、勉強時間を確保するようにしましょう!
独学の事例
独学でIELTSの勉強をして到達したスコアには以下のような例があります :
- ケース1:オーバーオールで7.5
- ケース2:ライティングは6.5
- ケース3:スピーキングは7.5
当然ですが、時間をかけて何年も勉強をすればオーバーオールで8.0以上を取得をすることも不可能ではありません。上記ケースではあくまで一般論を述べています。そもそも、求められるスコアが7.5以上というケースは、私が知っている限り存在しません。
ライティングは、7.0が大きな壁になります。6.5から7.0まで1年以上かかる事も珍しくありません。他のセクションが9.0に到達しても、ライティングだけが6.5といったことも起こります。ライティングで6.5以上を目指すのであれば、プロの添削を受けると良いですね。
スピーキングは、仮に留学経験がないのであれば7.5が大きな壁になります。これは音声に関する評価が50%以上も含まれていることに起因します。流暢に、自然な発音で話す事が7.5以上にいくためには必須となってきます。
IELTS 独学勉強法
前提条件
IELTSを独学のみの勉強で目標スコアを目指すに当たっては、下記の前提条件をクリアしていることが好ましいです:
- 前提条件1: 明確な目標がある
- 前提条件2: 基礎英語力がある
IELTSは非常に難易度の高い試験です。また、試験のコンテンツ自体はアカデミック英語ですので、決して楽しいと言えるものではありません。確固たる目標がなければ途中で挫折してしまう人がいるかもしれません。
もし、現時点でスコアの目標がない人は、IELTSを予約してしまうことをオススメします。予約をして、目標スコアを多少無理やりにでも決めることによって、目標に向かって走り出すことができます。
また、繰り返しになりますが、英語の基礎力がない人、具体的にはバンドスコアが「5.0以下」の場合や英検2級に受からないレベルの人は、英語の基礎力が圧倒的に不足しています。
そんな場合は、IELTSの対策を無理に行うのではなく、文法や語彙の基礎固めを集中的に行う方が学習効果が高いです。なぜなら、IELTSの問題を解いても解説を理解できないからです。
今現在、基礎英語力が足りない人は、以下の記事を確認してください:
リーディング
IELTSのリーディングは、以下の順で独学で勉強していくと良いでしょう :
- 手順1:時間を測って問題を解く
- 手順2 : 単語と構文を全て調べる
- 手順3 : 口頭要約
- 手順4:音読
- 手順5:後日に再度回答
- 手順6 : 多読
まず、リーディングは解き始める前に、自分に「復習が全て」と言い聞かせて下さい。その上で、本番同様の時間制限で解くことが、時間内に解けるようになるためのポイントです。
IELTSリーディングの独学の基本戦略は精読です。そのために必要なことは、「単語力」「構文」「背景知識」の3点です。このうちの1つでも欠けていると理解できません。仮に構文理解できない文は、抜き出して必ず理解をしてください。
復習を終えたら、パッセージの内容を、1分を目安に口頭要約してみてください。口頭要約とは、パッセージのトピックや具体例をぶつぶつと話す事を指します。きちんとパッセージが理解できていたかの証明になりますし、スピーキングの練習にもなります。
IELTSリーディングで7.5以上を狙う人は多読を取り入れても構いません。以下に多読が参考になる記事を紹介しています。
リスニング
IELTSリスニングは、以下の順で独学で勉強していくと良いでしょう。
- 手順1:問題を解答する
- 手順2:トランスクリプトを精読
- 手順3:再度音源を聴く→口頭要約
- 手順4:シャドーイング
IELTSに限らず、リスニング力を高めるためには、「語彙力(文法力)」と「音声認識力」の2つが重要です。また、聴き取れた順に英語を理解することに慣れることも大切な要素です。
問題を回答し終わったら、まずはトランスクリプトを見て1文ずつきちんと理解できるかを確認しましょう。文章が理解できない内容は聴いても理解できません。
トランスクリプトの復習が終わったら、再度音源をきいた上で口頭要約をしてみてください。口頭要約をすることで、きちんと音源の全体の趣旨が理解できているか確かめます。
その上で、細部を理解するためのシャドーイングを行います。いきなりシャドーイングが難しい方は、1文ずつ音源を止めておこなっていくと良いです。「1文言えたら次の1文」という形で最後まで進めていきます。
IELTSのリスニングは独学でスコアを上げるには最も時間かかります。スコアが低い人は、長期戦を見ておくと良いでしょう!
スピーキング
さて、IELTSスピーキングの独学勉強法です。そのためにはまずスピーキングがどのように評価されるのかを確認する必要があります。
IELTSスピーキングは以下の4つの評価項目です :
観点1:流暢さ(一貫性) | ・言葉に詰まることなくスムーズに回答できている ・適切な接続詞を用いて一貫性のある回答ができる |
観点2:語彙力 | ・トピックに応じた様々な語彙を柔軟かつ適切に使用できている |
観点3:文法 | ・様々な構文を自然にかつ適切に使用できている |
観点4:発音 | ・正しい発音を生成できている ・聴き取りやすく分かりやすい発音である |
「流暢さ」「発音」といった項目が評価の50%を占めていることが分かります。IELTSスピーキングでは、コミュニケーションが円滑に行われることが大切なのです。
以下の順でスピーキングは独学で勉強をすると良いでしょう :
- 手順1:発音強化
- 手順2:答えを録音
- 手順3:自分の録音を正しい英語に書き直す
- 手順4:再度録音
流暢さと発音が大切なので、できれば発音矯正を最初に徹底しておくと、スコアが上がりやすくなります。発音矯正のアプリではELSAがおすすめです。
- 参照: ELSAの使い方
また、スピーキングは一人では練習できないと思っている人が多いようです。そんな時は携帯の録音機能をつかって、自分が話してる英語を録音して下さい。それを書き起こしてみてください。内容を客観的に分析、修正していくことがスコアアップの近道です。
書き起こした回答は暗唱するのではなく、キーワードを頭に入れてブツブツと空き時間に話す癖をつけると英語が口から出やすくなります!
ライティング
さて、IELTSライティングの独学勉強法です。そのためにはまずライティングがどのような評価なのかを確認しましょう。
IELTSライティングは以下の4つの評価項目です :
観点1:タスクへの返答 | タスクに対し適切かつ十分な量の回答ができているか |
観点2:内容の一貫性 | 段落構成が明確で一貫性のある主張を展開できているか |
観点3:語彙 | 同じ語彙を繰り返さず様々な語彙を適切に使用できているか |
観点4:文法 | 同じ文法を繰り返さず様々な文法表現を適切に使用できているか |
語彙力と文法はスピーキングと同じ観点です。タスクの達成度というのは、「きちんと問いに答えているのか」内容の一貫性というのは、「採点官にとって読みやすいかどうか」という観点です。
以下の順でライティングは独学で勉強すると良いでしょう :
- 手順1:ライティングの型を覚える
- 手順2:頻繁に使用する英語表現を覚える
- 手順3:段落構成を覚える
- 手順4:実際にライティングする
- 手順5:模範解答と比べる
- 手順6:再度ライティングする
上記の手順でスコア6.5までを目指すことが可能です。まずは、IELTSのライティングの型、よく使う英語表現、段落構成を覚えましょう。その上で、実際に書いた英文を模範解答と比べていく中で修正をかけていきます。
ライティングで7.0以上を目指す人は、問いに対するアイデア、理由、例をより磨き上げていく必要があります。自分で修正をかけられる観点ではないので、プロに添削を頼むと良いです!
まとめ
独学は時間がかかる
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- 独学でのIELTSの勉強は通常7.5まで目指せる
- IELTSの勉強の前にまずは英検2級 – 準1級程度の基礎力を
- 独学での勉強は復習のクオリティを上げる事が鍵
IELTSの独学での勉強は、スコアが伸びるまでに最低でも3ヶ月ほどは必要です。1、2週間集中して勉強したところでスコアが上がるようなテストではありません。そういった意味で、英検やTOEIC などの過去の勉強法は通用しないかもしれません。
IELTSは、スコアを1点上げるために1年かかったりすることも珍しくありません。勉強の道中で、壁に当たっても何度でも立ち上がる力が必要です。きちんと目的意識を持って、中長期での勝負をする覚悟を持っておくと良いですね。
最後にIELTS対策などでお悩みのことがあればお気軽にご連絡ください!