こんにちは!
今回の記事では、OETリスニングパートB&Cを対策する上のポイントとコツをまとめてみました。
目次:
選択肢の見極め方とコツ
OETリスニングパートB・パートCで難しいことは、複数の選択肢について音声で言及していることにあります。
つまり、より設問の意図にあった正しい情報群が何かを聴き分けていないと「音声でこう言っていたから」と考えて間違えた選択肢を選んでしまうことになります。
イメージを掴むために、実際のOETの問題を確認してみましょう。
実際の問題
以下の問題は、OETが公表しているサンプルテスト1のパートCをピックアップしたものです。
- 31. Why does Dr. Robson regard Chagas as a neglected disease?
- (A) because of the social groups it mainly affects
(B) because patients often don’t realize they’re infected
(C) because its impact is severe in a relatively small number of cases - 参照元:Listening Sample Test 1 Question Paper | OET
参考までにトランスクリプトを参照してみると、選択肢(A)と(B)について音声で言及していることが分かります。
Interviewer: | Today we’re talking to Dr. Jack Robson, a cardiologist and Chagas disease specialist in the USA. Dr. Robson, what is Chagas disease and why is it referred to as a neglected disease? |
Dr. Jack Robson: | Chagas is caused by a parasite called Trypanosoma cruzi. Most sufferers become infected when they’re bitten by an insect, commonly known as the kissing bug, which carries the parasite. (B)People often don’t realize they’ve been bitten, and during the initial phase of the infection, symptoms are normally mild or absent. |
Seventy percent of those infected never develop complications. For the other thirty percent, the disease tends to remain silent for a long time, often thirty years, but it eventually enters a chronic phase characterized by serious cardiac, digestive system, and neurological disorders. | |
About seven million people worldwide are thought to have Chagas, but it attracts relatively little publicity or funding for research. | |
(A)This indifference is largely down to it being primarily a disease of marginalized communities in Latin America, where it’s endemic. You need resources to force significant action. |
パートCは音声が流れている最中に選択肢を選ぶ必要があるので、最初の部分で(B)について言及されていることが確認できると、その時点で回答をマークして次の設問を読む時間として使ってしまします。
結果として、選択肢(A)に関する内容を集中的に聞き取ることができず不正解になってしまいます。
OETの問題は巧妙にパラフレーズされているので、意識を向けないと聴き取りにくいことが特徴です。
対策方法
対策方法は、
- 設問の意図を正しく把握する(リーディング)
- 設問の意図に沿った音声情報を聴き取る(リスニング)
の2点です。
リスニング・セクションなので、どうしてもリスニング対策ばかりに目が行きますが、実際は設問の意図を正しく読み取ることがとても大切です。
多くの場合、瞬時に情報を読み取る必要があるため、設問を「ざっくりと」把握してしまします。
ざっくりと把握しているは、ある種「思い込み」があるような状態で感覚的に問題を把握しているということなので、設問の意図と少し違う情報だとしても選んだ選択肢を正解だと思ってしまいます。
今回の場合は、
- Why does Dr. Robson regard Chagas as a neglected disease?
- 「Dr. Robinsonは何故シャーガス病を”無視された疾患”と考えているか」
というDr. Robsonの主張をサポートする「理由」について問われていることが分かります。
その点を考慮してトランスクリプトを再度見直すと、(B)はシャーガス病に関する一般的な説明の一部として説明されているのに対して、(A)は前文の “…but it attracts relatively little publicity or funding for research.” を受けた説明として述べられていることが分かります。
- …but it attracts relatively little publicity or funding for research.
- 「しかし、(世界中で700万人の人がシャーガス病を患っている事実は)調査のための資金や広報を集めることができていない」= (「neglected:無視された」状態である)
つまり、設問に対してより適切な回答となっているのは(A)であるということが導くことができるということです。
対策のポイント
対策のポイントは「センテンスの役割を正しく把握しながら復習する」ことです。
英語の文章は基本的に以下のような、
Argument(論理構成)を元に、センテンスが組み立てられています。
全てのセンテンスには役割があり、基本的には上記の「Claim(主張)・Reason(理由)・Evidence(論拠)」のうちいずれかの意図があります。
今回紹介したサンプル問題の場合「どの主張に対してどのようなサポートセンテンスが述べられているか」ということを意識して、センテンス同士の関連性を考えながら復習することで音声の意図をより正しく理解できるようになります。
もちろん、音声を聴き取れていることが前提として必要ですが、音声認識以外の読解力の観点も同時に対策することがOETのリスニング対策として効果的です。
まとめ
以下、今回のまとめです。
- 複数の選択肢が音声で言及されている確率が高い
- リスニング力以外で読解力の向上にも焦点を当てると効果的
- 各センテンスの役割を意識して復習する
リスニングのスコアで伸び悩むと、どうしても繰り返し音声を聴いてリスニング力を上げることにフォーカスしがちです。
しかし、実際はリスニング力だけでなくリーディング力にも問題があるかもしれないということを頭の片隅に置いて対策するとより効果的に課題解決ができると思います。
また、OETは公表している問題が少なく練習できる音声が限られているため、大量にリスニング問題を解くという対策は現実出来ではありません。
リスニング力の向上自体は、OETの音声以外でも十分効果があるので模試の使い所を考えて計画的に対策していくことが重要になるでしょう。
何かご不明な点や、ご相談などありましたらお気軽にご連絡ください。