こんにちは、SOLOのルークです!
海外臨床留学を志す、医療従事者の方にTOEFLやOETを教えています。
最近では、Nプログラムを志す若手医師の方にTOEFLを指導する機会が増えてきました。
今回の記事では、そのNプログラムのTOEFL対策について紹介します。
Nプログラム合格のためには、内科医でTOEFL95-100、外科医でTOEFL100-105程度は必要だとよく聞きます。多くの医師が苦労されますので、一緒に確認をしていきましょう!
目次:
NプログラムとTOEFL
通常、アメリカでの臨床研修を希望する人は、National Residency Matching Program(NRMP)に応募する必要があります。世界中のIMGから応募がある、競争が激しい制度です。
一方、Nプログラムとは、米国の教育病院における臨床医学レジデンシー・プログラムに日系の若手医師を派遣する民間のプログラムです。
Nプログラムでは、NRMPとは別枠で日本での選考にパスをすることで、ニューヨーク近郊の病院で働くことが可能です。
そのNプログラム応募資格の一つに「原則TOEFL100以上」と記載があります。詳しいNプログラムの概要や応募条件については、こちらのサイトからご確認ください。
TOEFL100のレベル
まずは、TOEFL100のレベルを確認しましょう。直感的に理解するために、他の英語のテストと比較をします。
- IELTS7.0-7.5
- 英検1級+
- TOEIC950-990
IELTSとの比較が最も正確ですが、日本ではまだまだ認知がされていないテストですので、分かりにくいかもしれません。
英検との比較は分かりやすいと思います。TOEFL100を取得しているであれば、英検1級に余裕を持って合格をすることが可能です。
TOEICに関してはテストの難易度が低く、またリーディングとリスニングしかないため、換算が難しいところです。それでも、TOEFL100保持者であれば、少なくとも950点以上は取れます。
また、Nプログラムに応募される方は、ECFMG取得過程でOETに合格をされているかと思います。OET合格直後に、TOEFLを受験するとスコア85前後になる方が多いです。
TOEFLスコア85から100までは、少なくとも半年程度の学習は必要になります。
目指すべきスコア配分
具体的な対策の前に、目指すべきスコア配分を確認しましょう。
- リーディング:28点
- リスニング:27点
- スピーキング:20点
- ライティング:25点
日本で英語教育を受けた人は、上記のスコア配分を目指すのがオススメです。
リーディングとリスニングで高得点を取り、スピーキングの不足分を補うというものです。TOEFLスピーキングで21点以上獲得するのは簡単ではありません。
リーディングとリスニングは、今までの英語学習の延長線上で対策が可能です。正しい学習法で時間をかければ必ずスコアが上がります。
最初にすべき対策
TOEFLには4つの科目があります。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングです。
日々忙しい中、独学で全ての科目を同時に対策をするのは困難です。したがって、科目を絞って対策をすることをオススメします。
可能であれば、リーディングとリスニングを先に伸ばしきるのが良いでしょう。
え、スピーキングやライティングが苦手なんだけど…?と思った方もおられるかもしれません。
スピーキングやライティングは、「どのように相手に理解させるか」という点において、技術的な要素が強いセクションです。
だからこそ、よりファンダメンタルな英語力が必要なリーディングとリスニングを伸ばした後に対策をすることで伸ばしやすいのです。
リーディングは、医学部を受験された際に取り組んだ学習方法がそのまま活きます。
つまり、TOEFLに出てくる単語を覚えきる、英文解釈により意味の塊をきちんと把握する訓練をするというものです。
満点近くを取るためには、パッセージ内で知らない単語がほとんどなくなることを目標にしてください。単語を調べた上で、意味が曖昧な文章は日本語訳し、意味理解ができるか確認します。
TOEFLリーディングは理系トピックが中心です。苦手なトピックに関しては、YouTubeなどを活用して、動画を見ながら背景知識をつけていくことも重要です。
分野に関する知識があるほど、リーディングは正確に読みやすくなります。
リスニングの対策については、ディクテーションを中心にするのがオススメです。
医師にとってのリスニングは、1) 聞き取れる音が増えること、2)記憶できる幅が広がることの2点が重要です。
その2つを補えるのが、ディクテーションです。書き取れるということは、聞き分けと記憶の双方が担保されるためです。
TOEFL100点を取得するためには、リスニングの攻略が非常に重要です。スピーキングやライティングの回答の7割をリスニングの内容が占めるためです。
これが意味するとこは、67点分(120点満点)にリスニングが関与しているということです。
リスニングに苦手意識がある方などは、全TOEFL学習時間の7割程度をリスニングに割く事から開始をしてみましょう。
アウトプットの練習
リーディングとリスニングが伸びてきたら、徐々にスピーキングとライティングの練習を取り入れましょう。
TOEFLスピーキングの基本は、情報の「要約」です。TOEFLのスピーキングは、読み聞きした内容をまとめるといった内容です。話すべき情報が用意されているということです。
対策のポイントは、用意されている情報をそのまま話そうとしないことです。
リーディングやリスニングの内容が非常に難しいため、そのまま真似をしようとすると詰まりが多くなります。
詰まりが多くなると、意味が伝わりづらくなり、また時間内に回答しきれなくなります。いいことなしです。
読み聞きした内容を、自分の言葉で言い換える必要があります。なるべく簡潔に短く話すことを重要視してください。
最後に、ライティング対策です。まずは、時間内にかける量を最大化することを重要視します。具体的にはAcademic Writingで100-110字以上、Integrated Writingで200字以上です。
採点基準の関係で、前提としてのアウトプット量が重要です。多く書けるようになることで、20点を目指すことができます
その上で中身です。Academic Writingでは、主張を具体例でサポートする必要があります。こればかりは、日頃から物事を考える必要があります。
TOEFLに出題されそうなトピックに関しては、知識をつけそれに対する自分の意見と具体例を書き出しておく練習が欠かせません。
Integratedライティングは、3つのポイントと補足詳細がきちんと含まれていることが鍵を握ります。これが意味するところは、リーディングとリスニングが伸びるほどにスコアがついてくるということです。
両設問ともにテンプレートは有効ですので、上手に活用してみてください。
最後に
以上、NプログラムのTOEFL対策について解説でした。
TOEFL100を取得するための詳しい解説については、以下の動画にもまとめています。参考にしてみてください。
TOEFL100点は一般的に認識されているよりもずっと難易度の高いスコアです。英語上級者でない限り、短期的な取得は困難です。
長い目で目標を立て、日々のスケジュールにタスクを落とし込んでいくことがポイントです。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
TOEFL対策など英語でお悩みがあればお気軽にご連絡ください!